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自然と農業70号
2013/08/23(Fri)
急激に変革する物流業界に対応するために学会は何をなすべきか

 有機農業界が物流面で音を立てて変わりつつある。その流れは予想以上に速い。数年前までは考えも及ばなかった大資本の会員制流通業者への資本投下。資本が入ることによって当然、産業界から人的投入も行われ、会員制流通業者の実態を理解していない人たちがある時点までは静かに特異な流通の流れを見つめ、ある時点で大胆な行動を取り、構造を変える。構造を変えることによって新風が企業、業界に入り込む。現状の流れは第1波の段階で第2波、第3波が押し寄せると。一方この流れに対し、学者は旧態依然とした考えで運動を前面に打ち出す。産業界と研究者のギャップは広がる。この流れは他産業で散見できる。編集子が実際に経験したことは産業界と研究者との間に溝が深まり、研究者の研究が産業界には理解されず、その結果両者にプラスにならず、危機感を感じた学者と産業人有志が集い産学共同委員会を設置し、産学の流れに風穴を通した経緯がある。産業界から理事を学会に送り議論を重ねその結果、シンクタンクのような組織をつくり、研究テーマを集め、企業側が求める研究テーマを窓口を通して入手できるようにすると共に、学者を紹介するシステムをも確立した。編集子も理事の一人として意見を述べたことを思い出す。時計の針は電池がなくならない限り止まらない。業界に新風を送り込んでいる現行の物流業界の動きを何と見るかである。



目次
◾環境保全型農業の取り組みが進む
 農林水産省「平成24年度 食料・農業・農村白書」
◾有機農業の未来の可能性を講演 農商工連携の取組み例も紹介される
◾有機農産物の消費と「信頼」
◾オーストラリアの消費者とオーガニックの繋がり(中編)
◾ドイツのオーガニック最新事情(下)
 有機農産物の生産・流通構造を探る 有機飼料工場と生産農場、卸売会社を訪ねて
◾日本の水資源の現状と課題 ~地下水の硝酸性窒素汚染~
◾平成24年度 環境墓前型農業直接支払対策の実施状況
 交付件数・実施面積共、前年度より大幅増
◾国際食品素材/添加物展等から注目のオーガニック製品を紹介
<連載>
◾自休 OG飼料原料確保は何重もの山がある。NOAPAラオス穀物調査に参加して
◾生産者を訪ねて
百貨店・レストランのニーズに合わせ珍しい洋野菜を提供 ~長島農園
◾消費者との接点・小売りはこう見る
選んだ「本物」を売り続ける ~あしたば
◾地産地消の拠点
朝採り野菜と豊富な農体験で93万人以上を集客
 ~道の駅くりもと 紅小町の郷
在来品種を巡る 首から尻までの太さが均一な白首系大根 ~大蔵ダイコン
◾ナカツカカナのオーガニックコラム(5) 中塚華奈
◾有機食品の話題
◾海外の話題
◾国内ニュース
◾編集部おすすめ Book&Movie
◾8月・9月・10月のイベントのお知らせ

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自然と農業69号
2013/05/20(Mon)
OG飼料原料確保は何重もの山がある。NOAPAラオス穀物調査に参加して……

 4月の声を聞き、NPO法人日本オーガニック農産物協会(以下NOAPA)とオーガニック飼料連絡協議会との合同ラオス穀物調査に同行する機会を得た。調査には㈱エコデザイン認証センターで有機畜産物と有機飼料(加工)の認定を取得した関係者5人が参加。今調査は有機飼料原料の多面的取組みと安定した供給先確保を目的としている。NOAPAでは今年の3月に開かれた第13回通常総会で広域的環境保全型農業の積極的な推進を議決。この議決に基づき低開発国の農民の生活向上と穀物相場に左右されない、より安定したシステムの構築を目指し取り組むもの。飼料用穀物の安定確保は有機畜産物の認定生産者にとって重要な意味を持ち、安定供給が実質的にできなくなった場合、結果は悲惨なものとなるだけに今回のラオス穀物調査にかける期待は大きい。その期待と裏腹にトウモロコシの安定確保が可能になったとしても、アフラトキシン(カビ毒)問題が潜んでいるだけに、単純にことが進まないともいう。NOAPAでは3月の総会で、国産のオーガニック飼料米の安定確保のための各種取組みについても議決しているだけに、オーガニック飼料原料の確保は有機畜産を展開する上で重要な鍵を握っている。フィリピンで過去トウモロコシの認定実績があるだけに今後のラオスでの展開と国産飼料米の取組みに注目したい。



-目次-
農業において微生物が果たす役割
土壌病害への効果についての研究成果や実例が報告される
 平成25年度 コフナ農法普及協議会通常総会
各地での有機栽培技術研究の最新成果が多数報告される
 ~農研機構「有機農業体系研究プロジェクト」技術研究会より~(下)
世界のマーケット・リポート 好調に伸びるオーガニック商品
ドイツのオーガニック最新事情(上)
世界最大のオーガニック見本市「BioFach 2013」とヨーロッパで人気が高まるビオホテル
オーストラリアの消費者とオーガニックの繋がり(前編)
中国で合弁会社を設立 野菜の宅配サービスを開始 ~ (株)大地を守る会
オーガニックフェスタ2013
フランスからオーガニックワイン生産者8社が来日 日本の有機関係者も多数出展

<連載>
・自休 OG飼料原料確保は何重もの山がある。NOAPAラオス穀物調査に参加して
・生産者を訪ねて
地域住民が農作業に参加する会員制度で無駄のない自給自足を実現
  ~農業生産法人なないろ畑(株)
・消費者との接点・小売りはこう見る
“ベクレルフリー”を新たな価値として提案~じねんや
・地産地消の拠点
地元農家の婦人たちが自ら運営、地域の野菜や食文化を守る店~国府野菜本舗
在来品種を巡る イモの葉柄を食べる庄内の保存食 からとり
・ナカツカカナのオーガニックコラム(4) 中塚華奈
・有機食品の話題
・海外の話題
・国内ニュース
・編集部おすすめ Book&Movie
・5月・6月・7月のイベントのお知らせ
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自然と農業68号
2013/02/18(Mon)
自休

創業90年を迎えるに当たり、産業規模は専門誌・紙の発行点数でわかる

 年月のたつのは早いもので、今年の3月で弊社は創業90年を迎えます。大正13年に養鶏同人が集い月刊「鶏の研究」を創刊、万人により安価な卵を食してもらうために「養鶏技術の確立」を目的に技術専門誌としてスタート致しました。目的を達成するために一歩も二歩も進んでいた海外技術の情報を積極的に取りあげてきました。また、係数管理無くして経営は成立しないとの考えから畜産経営学を研究している大学教授の原稿を積極的に取りあげ、畜産経営学を体系づけ、用語の統一に努めてきました。畜産の中でも養鶏経営を体系づけてきた学者は数人で昭和30年代に現在のベース・方向性が確立されました。また昭和38年には総合農政が施行され、産・官・学が一体となり大量生産の道が開かれ万人が食することのできる卵の生産が可能となりました。産・官・学の一体化と表裏一体となったものとして制度資金の体系的確立が挙げられます。
 一方、本誌が目指す環境保全型農業界を展望した場合、業界を見る一つの尺度として専門紙・誌が何紙・誌あるのかが一つの産業規模を見る目安といわれております。わが業界には残念ながら本誌のみしかなく、業界の実態を表しているものと思います。厳しい経営環境下、18年間よくぞ発行してこれたものだと思います。早く業として成立できる日を楽しみに、現在という日を迎えております。



目次

・各地での有機栽培技術研究の最新成果が多数報告される
 ~農研機構「有機農業体系研究プロジェクト」技術研究会より~(上)
・スギエキスの植物活性剤による硝酸性窒素の低減効果が報告
・ビオファジャパン オーガニックEXPO
・日本最大級の環境展示会エコプロダクツ展
・3.11後の有機生産者たちの思い 土と平和の祭典
・第33回タキイ園芸フェア 発売前の新品種を公開
・アグリビジネス創出フェア2012&アグロ・イノベーション2012
・JONA設立20周年記念 グンナー・ランドグレン来日講演

<連載>
・自休 創業90年を迎えるに当たり、産業規模は専門誌紙の発行点数でわかる
・生産者を訪ねて
 味へのこだわりで野菜の高付加価値化を実現  長澤農園
・消費者との接点・小売りはこう見る
 誰でも入りやすい店で有機の大切さを伝える 利用客一人一人に話しかける姿勢を大切に 桜の森
・地産地消の拠点
 「野菜おやつ」として地場野菜の魅力を発信 BIOSK
・ナカツカカナのオーガニックコラム3
・Think about organic movements 英国オーガニック市場の動向
・在来品種を巡る のらぼう菜
・2月・3月・4月のイベントのお知らせ
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自然と農業67号
2012/11/19(Mon)
何もかもが後回し、復興とは言葉のみ
リスク回避もできず、結果が出ても手打てず

 福島原発の影響はいまだ続き、国民生活に負の材料を投げかけている。復旧のめどさえ立たず、自由にわが家に帰れぬ日々を送る被災地の人たち。政府、東電は手をこまねいているわけではないだろうが、二転、三転する説明に対し、今でも信用できないといった声は強い。ご都合主義に走った説明、そこには被災地の姿はなく、加害者である政府、東電の自己暗示と自己弁護に終止する。

 被災地を逃れ疎開する人たち。セシウムが風に舞い、いまだ子を持つ親たちの危機感と苦悩は続く。西日本に疎開している関東の母たち、その数は膨れ上がっているという。また被災地以外で農業を営む人たちもセシウム被害におびえる。ドイツではいまだ森のキノコを食してはいけない地域があり、原発事故の恐ろしさは時がたっても市民生活を脅かす。現代科学で措置できない原発。CO2を減らすには原発が必要だと。事故を起こしたらCO2どころではなくなる現実。財界も原発をゼロにするなと。他の代替エネルギーではコストアップになると。今回の事故によってどれだけの経費が投入されたのか。しかもまだその補償は続く現実。政治の空白が続き、議員先生の頭は選挙のこと一色。なにもかも先が見えない中、なにを信じればよいかである。念仏の世界なのかもしれない。


―目次―

・種子メーカーの世界戦略
 (特)アイフォーム・ジャパン 有機種苗第2回セミナー
・有機JAS見直しに向け具体的な提案を
 有機農業政策提言グループ「有機農業推進計画の見直しに関する意見交換会」
・「有機の郷」を目指して 山梨県主導で環境保全型農業の推進へ
 山梨県/有機自然共生農業を考えるつどい実行委員会
・有機農産物が、なぜ拡がらないか?アンケート調査 ~ 鹿児島大学准教授 李哉泫
・平成24年度第1回畜産コンサルタントセミナー
 「畜産後継者の確保─経営継承を中心に」開催 価値ある経営資源を第三者継承者へ繋ぐ
 ~ (社)中央畜産会
・第50回コーデックス連絡協議会
 コーデックス委員会の活動および日本の活動状況について報告
 ~ 厚生労働省・農林水産省
・「第2回国際農業資材EXPO」が幕張メッセで開催
・「地方銀行フードセレクション2012」
・放射性物質が含まれる汚泥肥料についてのQ&Aを公開 ~ 農林水産省

〈シリーズ連載〉
・自休
 なにもかもが後回し、復興とは言葉のみ
 リスク回避もできず、結果が出ても手打てず
<生産者を訪ねて>
・オンリーワンの有機ハーブ生産と自給自足の暮らしを実現
 ハーブズマンS農園代表 ~ 福山久之
<地産地消の拠点>
・グリーンツーリズムで地域農業を活性化 “農の魅力”で都市住民を呼び込む
 ~ みんなみの里
<消費者との接点・小売りはこう見る>
・有機だからこそ売る意味がある 店で扱う野菜・果物の8~9割は有機JAS認証
 ~ はるさん商会
・ブータンの有機農業とGNH4 ~ 前田知里
・有機食品の話題
・Think about organic movements
 米国食品安全強化法の規定の概要
・ナカツカカナのオーガニックコラム2 ~ 中塚華奈
・在来品種を巡る  万福寺鮮紅大長人参
・海外の話題
・国内ニュース 
・編集部おすすめ Book & Movie
・11月・12月・1月のイベントのお知らせ


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自然と農業66号
2012/08/14(Tue)
あって当たり前から無くて当たり前の時代へ、時は進む


 PTT問題は国際化の中の日本の問題。3.11以降発生したセシウム問題は将来の日本の子どもたちさらには国内農業在立の問題へと繋がる。「先行きどうなるかわからない」である。無責任な政府は、国内で眠っていた原発を経済合理主義いや原発を眠らせつづける経済的損失を強調し、強引に起こしてしまった。福島第一原発事故が未解決の中、福井県の大飯原発は経済合理主義の看板として安全を強調。これに対し目をつぶり続け自分の身は自分で守るしかこの国には施策が無いことを知らされた無言の民は、東京で抗議集会を開いた。その参加者は主催者発表によると17万人といわれる。声無き声が声ある声に変わり、行動となって表われた。そこには従来の党利党略の延長ではなく無党派層による一般大衆の抗議行動と理解すべきである。国民の意識の中に今までのように室内温度を下げ電力を使い放題にといった意識は徐々にではあるが減少してきたといわれる。「無駄」という言葉が再現してきた。「無駄」と「原発再稼動」の両者の関係をより厳しく追求するべきでもある。また「経済合理主義」と「無駄」をも……。「あって当たり前では無く、無くて当たり前」の時代へ時は進む。

有機シェア10%はいつ頃?


 「わが国はこれ以上、有機農産物のシェアは上伸するのか。ドイツやアメリカのように10%まで市場アップできるのはいつ頃か」と。流通業者によると問い合わせは増加していると。たしかに量販店でも最近よく目には付くが。早く10%になることを期待したいもの。


-目次-

特集-ブータンの有機農業とGNH③~前田知里
・有機認定品目を発表 小規模生産者の経済的負担大
・有機認証より厳格化 中国有機法改正

【生産者を訪ねて】
・日本のお米は日本の文化。米づくりとその価値を伝える ~横田農園
・地域色を生かした有機製品等が集まる ~(一社)新日本スーパーマケット協会
・EUで議論中の「次期CAP法案」、その背景と意味を紹介  ~農林水産政策研究所
・環境保全の支援を目的に沿った簡素な制度とするために事業効果を検討
~農林水産省
・震災・放射能汚染を受け、自然エネルギー・環境改善関連が多数出展
 ~2012NEW環境展/2012地球温暖化防止展
・こうすればできる! 自然エネルギー大幅拡大
 ~(独)科学技術振興機構 社会技術研究センター
・バイオマス資源を活用したエネルギー・モノづくりの関連する技術・製品を紹介
 ~バイオマスエキスポ2012
・最先端の技術が一堂に集結 施設園芸・植物工場展2012(GPEC)開催
 ~日本施設園芸協会
・千葉大学らが「ネットワーク型植物工場」の実証実験
 ~国立大学千葉大学・三井不動産(株)・パナソニック(株)・(株)みらい
・コーデックス委員会の活動および日本の活動状況について報告
 ~厚生労働省・農林水産省 
・省エネ・省コスト・生産性向上の機械・装置が多数出展
 ~FOOMA JAPAN2012国際食品工業展
・フードシステムの最新研究を発表  ~日本フードシステム学会
・GAP普及の進捗について情報共有するためのシンポジウムを開催
 ~日本GAP協会

・自休
あって当たり前から無くて当たり前の時代へ、時は進む
・消費者との接点・小売りはこう見る
・農家と都市生活者との出会いを作り、日本の農業を応援する
 ~オーガニックスーパーマーケット マザーズ
・地産地消の拠点
 民と官で取り組む茅ヶ崎市「茅産茅消」の背景
 ~ちがさき茅産茅消普及協議会&海辺の朝市
・有機食品の話題
・中国における有機農業の形成
 ~エコロジー&ファーミング
・ナカツカカナのオーガニックコラム1~ 中塚華奈
・Think about organic movements
・在来品種を巡る マコモダケ

・国内ニュース
・編集部おすすめ Book & Movie
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