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自然と農業 84号
2017/02/22(Wed)
このまま推移すると有機食材は神棚に鎮座か
 
2020年のパラリンピック、オリンピックへ向けて、食品業界が動く。選手村で食される食材についての基準、考え方の一般公募が2016年12月27日締め切られた。各団体がそれぞれの組織の考え方を表明。ロンドン、リオデジャネイロではオーガニック食材を頭に他の食材が続き正三角形を形成した。わが国では有機食材の数は少ない。海外の団体からは、現行の状況に危機感を持ち、調査団をわが国へ派遣する等の動きが活発化している。現状のまま推移するとするならば、海外産有機食材が選手村を押さえることになると心配する空気は強い。2020年を境に有機、オーガニック、ビオ(すべて同一語)が伸びると楽観視する向きもあるが、現状の流れからいうと疑問を感じる。「アメリカNo.1」ではないが、「オーガニックNo.1」にするためにも、認定機関の総見直しから、システムの見直しをしなければ、有機、オーガニック、ビオは小さな小さな食材の一つとして神棚に鎮座する貴重な食材にすぎなくなる。有機農業推進法は何のために作られた法律なのかを考えてみる必要がある。

>>自然と農業84号 目次
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自然と農業 83号
2016/11/19(Sat)
アニマルウェルフェアの流れを止めることはできない

 動物に5 つの自由を与えることを目的にスタートしたアニマルウェルフェア(動物福祉)。ヨーロッパからアメリカへそして日本へその流れは加速度的に世界中を駆け巡ろうとしている。一番影響を受けるのが、鶏肉関係である。採卵鶏、ブロイラーとも効率追求を第一に育種改良が行われて来た。その効率改善のために、コンピューターを駆使し、遺伝子の解析から市場の求める玉を分析し市場が要求する鶏の能力開発さらには抗病性の追求、少ないエサでより多くの玉を生産等経済効率をメインテーマに業界全体が取組み、その結果安価な玉を市場に供給することが可能になったことは事実である。効率追求から相手の立場(動物側)に立った飼養管理が求められ、基準が作られ、認定機関も誕生。そのトップにあるのが有機畜産で、アニマルウェルフェア、HACCP はすべて有機畜産に包含される。世界の流れを止めることはできない。



<目次>
■環境保全型農業直接支払交付金は12%増を要求、農林水産予算概算
■実施面積は28%増、平成27年度環境保全型農業直接支援交付金
■平成28年度農林水産祭、むらづくり部門で有機農業関連団体が天皇杯受賞
■光で天敵を集め、害虫を減らす技術を開発 農研機構
■リオ発 オーガニック最新事情
■タキイ種苗㈱「2016年度野菜と家庭菜園に関する調査」より
■産学官が連携し「オーガニック・エコ農と食のネットワーク」設立
■展示会・商談会レポート
アグリカルチャー物産展 SHIBUYA WANDERING CRAFT 2016
東京インターナショナル・ギフトショー秋2016/グルメ&ダイニングスタイルショー秋2016
農業資機材を網羅、展示商談会「農業ワールド2016」

<連載>
■自休
■地方の現場から① 高野山の山ろく かつらぎ町新城 佐藤麻由子
■資材の原材料が天然物質由来か断定できず有機JAS 規格で使用不可能と判明
■抗生物質不使用の養鶏プログラム実現には時間を要する オルテック社ブログより
■ナカツカカナのオーガニックコラム 中塚華奈
■生産者を訪ねて
農薬・化学肥料を使ったら負け」頑固な決意はあの社会運動が伝えてくれた〜命の農を
次世代へ〜 梁瀬義範さん
■消費者との接点・小売りはこう見る
“信念を実現する生産者の農産物”の真価を伝える 宇宙と大地の八百屋さんコスモスふぁーむ
■在来品種を巡る
 日本在来品種の成立に大きく関与 九年母
■Think about organic movements
有機農業事情〔前編〕〜ベトナム
「インターネットの食品安全違反行為調査処罰弁法」を施行〜中国
輸入食品等の海外製造業所登録制度が完全実施〜韓国
■海外の話題
■国内ニュース
■編集部おすすめ Book&Movie
■11月・12月・1月のイベントのお知らせ
■資材等の仕入案内
■編集後記

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自然と農業 82号
2016/08/15(Mon)
何の目的で作るのか不明な新しい組織

 2020 年のオリンピック・パラリンピックに向けて、有機関係者の動きが水面下で活発化しだした。新しい組織が次々に誕生し、交通整理が必要なほどの状態になっている、とは業界関係者の話である。認定機関の大半の人達は、その動きを知らないといった状態とも……。編集部に身を置く者として新しい組織ができたことすらわからない時がある。その場合、糸を一つずつほぐすように面を線にし点にする作業をすると誰が何のために行おうとしているのかがわかって来る。最近では糸をほぐす作業をすること自体“ バカゲテイル” と思うようになり、生きるためにヒッシなのだと理解するようになったら目が他に移る。今業界で行っている行為は人間社会の縮図である。お山の大将になるのもいいが、ハシゴだけは外されないように、と思うのは編集子だけであろうか。



<目次>
■有機JAS認証圃場面積は1万haに
3つの「白書」に見るオーガニック・エコ農業
■「オーガニックだからこそローカルであれ」 中塚華奈
 2016 欧州オーガニック食品事情視察報告
■伸び悩む英国の有機農業と土壌協会の活動  和泉真理
■国内のアニマルウェルフェア促進に向けて始動
 AWFC設立・記念シンポジウム開催
■AWFC・JAPAN 第1 回定期交流会を開催
■仙台でオーガニックウィーク
■調査データで見るオーガニック・エコ農業の現状と今後
農業者の3 割が栽培面積拡大の意向、流通業者の約5 割は今後の需要は拡大と
予想、消費者では8 割が購入希望/有機JAS 圃場面積は1 万haを超え微増、
耕地面積シェア0.22%/国産有機野菜と慣行野菜との価格比は145 〜204%
/消費者の小売に求める有機農産物ニーズは身近な場所での購入、品揃え、価格
■「土壌の性格と微生物の関係」について講演
コフナ農法普及協議会
■自分のくにより美味と感じた野菜はトマト、カボチャ、サツマイモ
タキイ種苗「日本の食文化に関する実態調査」
■第6 回通販食品展示商談会/オーガニックライフスタイルEXPO―プレスランチ

<連載>
■自休
■ナカツカカナのオーガニックコラム 中塚華奈
■生産者を訪ねて
圃場内の雑草草生と活用により栄養成分値の高い安全な野菜を生産 佃農園
■消費者との接点・小売りはこう見る
八百屋スタイルで有機農産物販売の器と売る力の強化目指す オーガニックファーム
■在来品種を巡る
 日本の伝統的エディブルフラワー もってのほか
■Think about organic movements
EU 基金による補助で有機ブドウ栽培が加速/ルーマニア
無農薬・無化学肥料の野菜を生産・販売する日系企業の取組み/ベトナム
■海外の話題
■国内ニュース
■8月・9月・10月のイベントのお知らせ
■資材等の仕入案内
■編集後記

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自然と農業 81号
2016/05/27(Fri)
勢いがあるBio Oct ベルリン

 弊社主催の2016 欧州オーガニック食品事情視察(第22 回)を4 月22 日(土)?4 月29 日(金)の7 日間にわたり催した。参加者は15 名を数え、当初の予想を上回り、参加者の80%がオーガニックとは直接関係のない産業界からの参加者で、オーガニックに関する動きが徐々にではあるが広がる傾向にあるようだ。今回の視察で例年と異にする点は、世界一の規模を誇るBioFach ドイツ(出展社数約2,800 社)の視察から、Bio Oct ベルリン(出展社数約280 社)へ切替えたことである。Bio Octはドイツ国内4 か所で開催し、しかも1 日のみ開かれ、流通業者、ホテル関係者等業務筋を対象とする展示会である。今回、弊社ツアーの参加者の中に、オーガニック関係者でない人がいるとし、主催者に入場を断られる事態も発生した。規模こそ小さいが、内容は濃く、各部門からの出展があり充実したオーガニック展示会であった。展示会そのものに勢いがあり新鮮さを感じたのは編集子だけではなかったと思う。この他にオーガニックホテル、農村ホテル、6 次産業化されたドイツで一番大きな農場、オーガニック専門店、4,000ha のEU認定を受けた穀物農場等多岐にわたった。詳細は次号に掲載する。



<目次>
・日本型直接支払、有機農業の取組み面積は増加の見込み
・注目のオーガニック3.0が始動 有機で社会の問題解決を目指す
 ~BioFach2016 ドイツ・ニュルンベルクにて開催~
・30年前オランダ王立農業試験場開発の平飼システム鶏舎が当たり前の時代に
~第22回欧州オーガニック食品事情参加者から寄せられた手紙より~
・有機農産物拡大に向けた胎動
㈱マルタ冬季全国生産者大会/ラディックスの会総会/農林水産省「有機農業の推進に関する全国会議」/平成27年度環境保全型農業推進コンクール表彰式・シンポジウム/次代の農と食を創る会結成発表会
・『遺伝子組み換えルーレット』上映会・多国籍アグリビジネスの戦略について講演
~全国有機農業推進協議会・学校給食を考える会 上映会&トークイベント開催~
・遺伝子組替食品問題への関心を惹起
 ~農業生産法人日本豊受自然農㈱ 第5回日本の農業と食のシンポジウム~
・世界初のオーガニック親子丼を試食
~日本オーガニック農産物協会 第16回通常総会および講演会~
・11万人が来場「アースデイ東京2016」でアースネイティブ宣言
・2~4月開催展示会 オーガニック出展レポート
~FOOD TABLE in JAPAN 2016/FOODEXJAPAN 2016/国産野菜の契約取引マッチング・フェア in 東京/健康博覧会2016/ワイン&グルメ2016~
・自休
勢いがあるBio Octベルリン
・ナカツカカナのオーガニックコラム16 中塚華奈
・生産者を訪ねて
35年にわたる技術確立・消費者との連携により有機農業を推進 相原農場
・消費者との接点・小売りはこう見る
“次世代型やおや”を構築し、有機農業の拡大を目指す 麻布自然食品
・在来品種を巡る ゆでると果肉は糸状に。能登では伝統野菜 そうめんかぼちゃ
・Think about organic movements
有機食品に関する国家標準規格が発効/ドイツ市場参入のために必要な食品認証
・海外の話題
・国内ニュース
・編集部おすすめ Book&Movie
・5月・6月・7月のイベントのお知らせ
・資材等の仕入案内
・編集後記




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自然と農業80号
2016/02/23(Tue)
認定鶏糞を投入するイタリアの生産者
この様な状況下EUとの同等性とは……

 
 昨年の11 月イタリアの有機農業を視察する機会があった。イタリアのイメージといえば、スパゲティと“ ナヨポサ” であったが農村にいってビックリ。自分の知識の無さにただただ絶句。わが国では考えもつかないほどの有機圃場が眼前にあらわれ、ここが本当にイタリアなのかと疑った。編集子の訪問した農場は有機穀物を生産。その規模は3,800ha にも及び、投入する鶏糞も有機認定を受けたもので、話しにこそ聞いていたものの現実に認定鶏糞が投入されているのを見たときに、これまた驚きの連続であった。わが国では“ 認定された鶏糞”を投入するといった概念はなく、鶏糞であれば何でもOK 位にしか認識が無いのが実情である。最近では有機生産者が畜産生産に畜糞の有機証明を求める動きがでて来た段階である。わが国の状況を"遅れている"といっていいものなのか不明であるが、有機とは何かを教えられたイタリア視察であった。有機業界が真剣に有機畜産について議論していない状況下、EU との同等性について疑って見てしまうのは編集子だけなのか……。



-目次-
<特集>
・平成28 年度農林水産予算概算決定
~環境保全型農業直接支払は24 億1,000万円~
・有機JAS 認定、環境支払に多大な影響
~太平物産生産、全農供給の有機肥料表示偽装~
・中国におけるCSAの発展と運営体制
~CSA 導入を図る新規就農者が増加~  施慧燕
・水稲有機栽培で使える除草技術等6講演 ~平成27 年東海地域マッチングフォーラム~
 「水田作における有機栽培の現状と技術の開発・普及」から
・平成27 年度農林水産関係補正予算
~総額4,008 億円、TPP対策に3,122 億円~
・平成26 年営農類型別経営統計(経営収支)
~農業所得は畑作で増加も、水田・野菜・果樹・花きでは減少~
・2015 年もっとも食べた野菜はタマネギ、今後の注目は高栄養野菜
~タキイ種苗(株)「2015 野菜の総括」調査結果より~

<連載>
・自休
認定鶏糞を投入するイタリアの生産者 この様な状況下EUとの同等性とは
・ナカツカカナのオーガニックコラム(15) 中塚華奈
・生産者を訪ねて
農の現場から発信する幸福論 NO-RA~農楽~
・消費者との接点・小売りはこう見る
素材への徹底的なこだわりと季節感重視で「ないと困る店」を目指す ファーム
・在来品種を巡る
山形の早春の味覚「茎立」のひとつ ちりめん五月菜
・Think about organic movements
東海岸で自然商品見本市を開催/FDA が「ナチュラル」表示に関する意見を募集

海外の話題
国内ニュース
編集部おすすめ Book & Movie
2月・3月・4月のイベントのお知らせ
資材等の仕入案内
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