自然と農業 106号
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2022/08/09(Tue)
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経営環境の悪化がさらに進む
畜産業界。有機飼料に赤信号 農水省は2050 年までに有機農業を全農地の25% に拡大することを目指し、「みどりの食料システム戦略」を自ら実行に移すために、省内地下職員食堂を改修し、有機農産物等をメインとして使用する有機レストランをオープンした。このレストランは職員の他に、消費者への開放を行っている。また、周辺省庁にも積極的に呼びかけを行う意向のようだ。参議院農林水産委員会では、みどりの法案で3 名の参考人質疑が行われる等環境にやさしい農業の普及に積極的に取り組む姿勢を見せる。一方、肥料の原料はロシア、ウクライナ、中国等からの輸入に依存。その原料が侵攻による影響、輸出規制、さらに世界的な肥料需要の拡大、原料価格の高騰等、負の材料が追い打ちをかける。畜産に関しても経営環境が追い打ちをかける。原料高の製品安によって、業界も致命的な状況となり、世界の原料状況から見ると、制度対応だけでは追いつかない。7 月以降、配合飼料価格はトン13,000 円代の値上げをしただけに、畜産の環境は悪化の道を辿る。さらに有機畜産となると、飼料価格は慣行のものの3 ~ 4 倍となり、先行して赤信号がともる。世界の食料環境悪化の意味するものを国民一人ひとりが考えないと普通に食べてきたものが食べられなくなる、という現実を直視するべきである。 自然と農業 106号目次 |
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